香港エクスプレスHPより
香港エクスプレスは2004年に誕生した香港の航空会社です。フルサービスキャリアとして設立ののち2013年にLCCに転換(香港エクスプレス自身はLCCではなくLowFareAirlinetと称しているが実態は他のLCCと同形態)したという、ちょっと変わった生い立ちのエアラインです。

Contents
特徴・機材
特徴
自称LowFareAirline(文字通り運賃が安い航空会社)ですが他のLCCと特に違いはなく、座席指定・機内食・受託手荷物など運賃以外のほぼ全てのサービスは有料オプションになってます。何を以ってLCCではなくLowFareAirlineを名乗っているのか分かりませんが、確かに運賃は安いので間違いではないのでしょう。
このところ「往復予約で片道100円」とか「2名以上の予約で1名分無料」など、過激なセールを連発しています。セール自体はほぼ毎週のように行われており、もはやセール時以外に予約するのは無意味なくらいの様相です。
東京/羽田発着便があるのも横浜在住の私には非常に有益で、かつ弾丸旅行に利用しやすい時間帯の便がありますので、香港行くなら(セール運賃を利用し)香港エクスプレス一択とも言える状況です。
機材
香港エクスプレスHPより
他のLCCと同様エアバスA320系だけで運行しています。
基本的にはLCC定番の30列180席仕様(上図)ですが、上述のようにFSCからLCCに転換した影響でしょうか、香港航空との共同事業の痕跡か、詳しくは知らないのですが内外装が香港航空カラーの29列174席仕様のA320-214が数機存在します。この機材はリピーターからは当たり機材と言われています。同一ボディで1列少ないのでシートピッチが大きく足元が若干ゆとりがある(らしい。というのも私はこの当たり機材に当たったことがないので)ので、機内に入った際に赤いシートだったら3cm分(?)得したと思ってニンマリしてください。
他には長胴型の230席仕様のA321-200も少数運行されています。
エコノミークラスのみの設定ですが、1/12/13列目は足元にゆとりのあるスイートシート(有料)、2〜5列目は前方座席(有料)など、費用を支払えば足元のゆとりや前方座席(入国を急ぐ方など)を指定することも可能です。
就航路線
香港エクスプレスHPより
香港国際空港と上図各空港を結ぶ路線の直行便を運行しています。線で結ばれていない個性的な路線図ですが、「全ての空港と香港を結ぶ」という形なので線で結ぶ必要がないんでしょうね。
特徴的な部分としては、LCCにしては数少ない東京/羽田の発着があること、高松・鹿児島・石垣などLCC国際線が少ない地域にも就航していることです。
また、香港経由で各空港への乗継便も発券可能です。乗継時間が必ずしも良いわけではないんですが、激安運賃のセールを狙って「東京ー香港ープーケット」のように乗継便を発券すれば激安で東南アジアへの旅行も実現できます。
また、ちょっと変化球的ですが「東京ー香港ーソウル」なども時期やセールによってはフルサービスのANAやJALの直行便より安く上がる可能性すらあります。お金はないけど時間はある方(学生さんとか?)は検討する価値があるかもしれません。
チェックイン・手荷物
チェックイン
チェックイン受付開始は空港によって異なりますが基本的には3時間前か2.5時間前に開始します。(日本発では東京/羽田・東京・成田・名古屋/中部・福岡が3時間前から、大阪/関西・広島・高松・鹿児島・石垣が2.5時間前から)
チェックイン受付終了は全ての空港発で1時間前までとなっています。後述しますが手荷物関係の混乱でカウンターが非常に混雑しますし、LCCに乗り慣れていなくて国内線フルサービスキャリアのように15分前にカウンターに出向いても時すでに遅しになってしまいますので余裕を持って空港カウンターに行くようにしましょう。
機内持込手荷物
機内に持ち込める手荷物のサイズは56×36×23cmで重量は7kgまでが1点のみです。
他LCC同様にかなり厳密ですし、カウンターでチェックイン時に預入手荷物を選択すると事前予約時より割高な受託手荷物料金を取られます。カウンターでてんやわんやにならないよう事前に寸法と重量を計っておくことをオススメします。
また、一般的な機内持込可と謳っているスーツケースは持ち込みできず預入手荷物になってしまうのでご注意下さい。
預入手荷物
機内持ち込み手荷物を超えるサイズ・重量の場合はカウンターで受託手荷物として預け入れるのですが、三片の合計158cmまででかつ重量に応じた料金が課せられます。
料金はチケット予約と同時に預入荷物の予約をするのが最も割安でチェックイン時に手配する場合が最も割高になるので、旅行に持って行く荷物をある程度予測し重量を計っておきチケット購入時に同時予約するようにしましょう。
重量 | HK$ | 日本円 | |
hkexpress.com(モバイルアプリ含む)にて | |||
新規予約時 | 20kgまで | 229 | 3,500 |
25kgまで | 360 | 5,500 | |
30kgまで | 365 | 5,600 | |
予約後に予約管理ページにて | 20kgまで | 275 | 4,200 |
25kgまで | 430 | 6,500 | |
30kgまで | 435 | 6,600 | |
カスタマーサービスホットライン | |||
カスタマーサービスにて | 20kgまで | 320 | 4,900 |
25kgまで | 510 | 7,700 | |
30kgまで | 515 | 7,800 | |
出発空港にて | |||
空港カウンターにて | 20kgまで | 390 | 5,900 |
25kgまで | 590 | 9,200 | |
30kgまで | 600 | 9,400 | |
超過料金(予約の重量を当日カウンターで超過していた場合) | 5kgごとに | 200 | 3,100 |
スポーツ用品や車いす等詳細は香港エクスプレスホームページ(料金)のページをご確認ください。
機内サービス
座席関係
上述したように基本的には30列180席仕様のA320ですからLCCに乗り慣れている方にはお馴染みの機体です。香港エクスプレスHPには平均座席ピッチが28インチ(約71cm)となっているんですが…平均って何でしょう?非常口席などシートピッチが大きい座席があることを考慮すると一般座席は28インチ以下ってことになってしまいますが、果たして本当なのでしょうか?
LCC標準である30列180席仕様のA320ですから他社より1インチ小さい理由が見当たりませんので当サイトでは(確証はないのですが)29インチ(約74cm)と考えることにしています。
香港航空仕様の機材の場合29列174席仕様ですので単純計算では1列当たり1インチ大きくなって30インチとなりますので大手キャリアに近い(大手キャリアは30〜31インチ、スターフライヤーは例外的に34インチ)シートピッチが採用されていることになりますが、私は搭乗したことがないので断言できません。
座席区分
香港エクスプレスHPより
再度シートマップです。香港エクスプレスは1クラス(エコノミークラスのみ)ですが、ご覧の通り3種類の料金区分があります。
スイートシート(有料)
シートマップ上の一番濃い紫色の1列目・12列目・13列目の座席はスイートシートと呼ばれ他の座席より足元にゆとりがあります。
1列目は最も早く降機できつつ足元もまあ広いのですが、座席前方がバルクヘッド(壁というか衝立というか)ですので前の座席の下に手荷物を入れるということができません。
12列目も足元は広いですがリクライニングしないという話です(12列目搭乗経験がありません)。
となると、スイートシートを選択する場合、早い降機を優先するなら1列目、足元の広さとリクライニングを重視するなら13列目となります。12列目をあえて選択する理由はありますかね?微妙なところです。
アップフロントシート(有料)
2列目から5列目までの座席です。機体前方とすることで到着時に速やかに降機できるので入国審査が混雑しがちは香港では有効な選択肢です。
スタンダードシート
6〜11列目と14列目以降です。事前座席指定をしなければ追加コストがありません。
ですが、同行者がいる場合などは座席指定しないとバラバラになる可能性もあるので判断が難しいところです。深夜便でどうせ寝てるだけだからバラバラになっても構わないと考えるならわざわざ座席指定料金を支払うのは無駄ですが、せっかくの旅行なのにバラバラはちょっと…という場合はリスクを取らずに事前に座席指定をすることをオススメします。
座席指定料金
預入手荷物と同様、できればチケット予約時に同時座席指定が割安になります。
シート区分 | HK$ | 日本円 | |
hkexpress.com(モバイルアプリ含む)にて | |||
新規予約時 | スタンダード | 45 | 680 |
アップフロント | 100 | 1,300 | |
スイート | 180 | 2,700 | |
予約後に予約管理ページにて | スタンダード | 50 | 750 |
アップフロント | 110 | 1,650 | |
スイート | 200 | 3,000 | |
カスタマーサービスホットライン | |||
カスタマーサービスにて | スタンダード | 55 | 810 |
アップフロント | 120 | 1,800 | |
スイート | 220 | 3,200 | |
出発空港にて | |||
空港カウンターにて | スイート | 240 | 3,500 |
機内食関係
機内食は水を含め全て有料です。詳しくは公式ホームページをご覧ください。
一例を挙げると、水22HK$、食事が65〜105HK$です。食事を注文した場合は水1本がサービスされます。
基本的に飲食物の機内持ち込みはできません。なぜ基本的にかというと「スタッフから持ち込みを止められる場合があります」との事ですので、水くらいなら上手に…です。自己責任でお願いします。
出発96時間前までの事前注文で最大20%割引になりますので、預入手荷物や座席指定同様に事前に計画を立てた方が割安です。
マイル/ポイントサービス
reward-Uという名称のポイントプログラムがあります。このプログラムは廃止されました

料金体系
香港エクスプレスに3種類の料金区分があります。
一例として東京/羽田ー香港の便を検索してみます。
このように3種類の運賃が表示されます。何が違うかというと
ファン | ファン+ | U-Biz | |
予約変更 | 運賃差額+変更手数料 | 日付・時刻の変更無料(出発3日前まで)運賃差額 | |
香港国際空港での優先チェックイン&優先搭乗 | × | ○ | |
座席指定 | no | 前方座席 | スイートシート |
機内持込荷物 | 7kgまで | ||
預入手荷物 | ー | 25kgまで | 30kgまで |
reward-Uポイント | 1HK$あたり10P | 1HK$あたり20P | |
払い戻し |
× | ○ | |
香港国際空港プラザ・プレミアムラウンジ | |||
受託手荷物優先サービス |
ファン運賃とファン+運賃の差ですが、違いのある部分は2点(受託手荷物25kgと前方座席指定)がそれぞれ5,500円と1,300円の合計6,800円分ですので、今回の検索では差はありません。最初から前方座席指定と受託手荷物25kgを手配予定ならばどちらを選択しても違いはありませんが、もしファン運賃のスタンダードシートで座席指定(680円)した場合はファン+運賃の方がお得感が出てきます。
ファン運賃/ファン+運賃とU-Biz運賃の差ですが、こちらはU-Biz運賃が内容の割にお得な価格設定になっています。スイートシート+受託手荷物30kgの価格は8,300円ですので今回の例でいくと800円割安になります。さらにフルサービスキャリアのビジネスクラス利用者や航空会社上級会員のベネフィットでも知られているサービス同様(厳密には同等ではないのですが)ラウンジ利用・優先搭乗・優先チェックインなども付いてきますので、これらサービスに魅力を感じる方にはさらに割安感のある料金プランと言えます。予約変更が可能な点も見逃せません。直近まで予定を確定できないような方の強い味方になり得ます。
ただし、セール運賃はファン運賃と一部ファン+運賃に設定される場合がほとんど(U-Bizにセール価格が設定されているのを私は見たことがありません)ですので、激安運賃を手配しようと考えているならU-Bizは選択肢に入りません。そもそも豪華で至れり尽くせりのサービスを期待するならLCCではなくてフルサービスキャリアのビジネスクラス等を選択すべきですから。
格安旅行実現のコツは、セールのファン運賃を狙いつつ、手荷物は最小限(私が香港に行くときは機内持ち込みのバックパック一つだけです)にして、狭いスタンダードシートに耐えることです。
できれば有料の機内食も考えず、旅先での楽しみにとっておくか出発前にラウンジで済ますようにするのが賢い格安旅行です。そんな時は空港ラウンジの利用をお勧めします。

こちらの記事で国際線/国内線で利用できるプライオリティパスについてまとめました。ご一読ください。
お金は行った先で使うのが格安旅行楽しい思い出にできる心構えだと思います。
セール情報
上にも書きましたが香港エクスプレスはこのところほぼ毎週のようにセールを実施しています。これらセールの販売期間は3日程度ととても短いのが常です。
直近に開催されたセール(過去3回のセール記事のリンクを掲載します)



twitterでも情報を流していく予定ですので興味のある方はフォローしてみてください。
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