エアアジアHPより
1993年に設立されたマレーシアの航空会社グループで、傘下にタイ・エアアジア(2003)インドネシア・エアアジア(2005)エアアジアX(2006)エアアジア・フィリピン(2012)タイ・エアアジア(2013)インドネシア・エアアジアX(2013)エアアジア・インディア(2013)エアアジア・ジャパン(2014)がある。
アジアのLCCの中ではかなり規模が大きく、グループ合計で就航都市100都市以上・130機以上の保有機材がある。

Contents
特徴・機材
特徴
アジア圏のLCCとしては最大規模(グループ全体として)のLCCで、日本への就航は札幌/新千歳・東京/成田・東京/羽田・大阪/関西のみなのでさほど多くないのですが、拠点であるマレーシア国内線のほか多くの北東/東南アジアへの路線網を構築していて、さらにオーストラリア・ニュージーランド・ホノルルなどへも就航しているので、エアアジアグループだけでアジア・オセアニアのかなりの数の都市へアクセスすることができます。
機材
エアアジアは2系統3機種のエアバス機を保有しています。
エアアジアHPより
LCC標準とも言えるエアバスA320系ですが、他社とは若干違いがあります。
上図の下、A320-200はまさにLCC標準、最後部の座席列番号が31列となっていますが、13列目が欠番になっているので30列180人仕様です。
上図の上、A320neoも13列目が欠番なのは同様ですが、31列186人仕様になっています。これは、LCC標準からさらに詰め込んだ仕様というわけではなく、エアバス社のスペース・フレックスというオプション仕様ですのでシートピッチがさらに狭いということではありません。
スペース・フレックスは後部ギャレーと後部ラバトリーの配置を効率化し1列増やすことができるオプションです。
エアアジアHPより
中長距離路線を担う機材がこのA330-300です。17年夏に就航開始した大阪/関西ーハワイ/ホノルル線はこのA330が使用されています。
紫色に塗られているシート(1,2列目)はプレミアムフラットベッド(左の写真)という、その名の通り横になって休めるシートが装備されます。前述の関西ーホノルル線であれば、ゆっくり横になって休んで現地到着から全開でハワイを楽しめる価値あるシートです。
プレミアムフラットベッド搭乗者は受託手荷物・優先手荷物・優先チェックインなど、フルサービスキャリアのビジネスクラス搭乗者のようなサービスが付随しています。
赤く塗られているシート(1〜5,12,14列目)はホットシートと呼ばれる足元にゆとりのあるシートです。
ホットシート搭乗者は優先搭乗が可能です。
就航路線
日本に就航している路線をまとめてみます。
札幌/新千歳 | クアラルンプール | ||
東京/成田 | バリ/デンパサール | ||
バンコク/ドンムアン | |||
東京/羽田 | クアラルンプール | マレーシア | クチン |
ランカウイ | |||
ペナン | |||
インドネシア | バリ/デンパサール | ||
ジャカルタ/スカルノ | |||
シンガポール/チャンギ | |||
オーストラリア | メルボルン | ||
パース | |||
タイ | バンコク/ドンムアン | ||
プーケット | |||
カンボジア | プノンペン | ||
大阪/関西 | クアラルンプール | マレーシア | クチン |
ペナン | |||
ランカウイ | |||
インド | チェンナイ | ||
コチ/コーチン | |||
オーストラリア | メルボルン | ||
パース | |||
シドニー | |||
インドネシア | バリ/デンパサール | ||
バンドン/フセイン | |||
ジャカルタ/スカルノ | |||
スラバヤ/ジュアンダ | |||
シンガポール/チャンギ | |||
タイ | バンコク/ドンムアン | ||
プーケット | |||
カンボジア | プノンペン | ||
バンコク | |||
ホノルル |
日本からの路線は、クアラルンプールを経由することで東南アジア各地への路線が充実しています。また特筆すべきは大阪/関西ーホノルルです。短距離線主体のLCCの中では珍しい中長距離というだけでなく、遂に日本からLCC直行便でハワイに行ける時代がやってきました。
グループのネットワークが非常に豊富で日本発以外も膨大な路線網があるのですが、さらに表が分かりづらくなりそうなので割愛します。ですが、マニラやバンコクなどグループ拠点のある都市をハブ空港として非常に充実した路線網を構築しています。
チェックイン・手荷物
チェックイン
空港カウンター
出発空港のカウンターでのチェックイン受付開始は基本的に出発の3時間前から1時間前までに済ます必要があります。AirAsia国内線に関しては2時間前から45分前(klai2の場合は2時間前から1時間前)になりますが、手数料を徴収されるので国内線に関しては以下の方法を取りましょう。
セルフチェックイン
現時点で利用可能な空港とそうではない空港があるようなのでイマイチ分かりづらいのですが、基本的にはこちらを使うようにします。以下の3種類の方法があります。
セルフチェックイン制限事項
- 妊娠中または乳児を連れている方
- 特別な支援が必要な体の不自由な方
- 16歳未満の一人旅
- 医療上の問題/病気の方
- (事前入国手続きが必要な)オーストラリア/ニュージーランドに向かう方
- 一つの予約番号で9人以上で登場する場合
以上の条件に当てはまる場合は空港カウンターでの手続きが必要です。該当しない方のみセルフチェックインが可能です。
webチェックイン
PCを使いエアアジアHPのこちらから目的地・予約番号・名前を入力することでチェックインできます。
画面の指示に従い座席指定等オプションを(必要であれば)選択し、さらに進むと印刷できるようになります。プリンターを持っている場合は印刷、持ってない場合はスマホにSMSで2次元バーコードを送信します。
当日空港で、受託手荷物がない場合は書類確認カウンターへ、受託手荷物がある場合は手荷物受付カウンターで印刷したものを提示します。
受付時間はエアアジア便で出発3時間前〜45分前まで、AirAsiaX便で出発3時間前〜1時間前までです。
モバイルチェックイン
スマホにエアアジアAPPをダウンロード・インストールしておけば自分のスマートフォンで手続きができます。まだアプリを持っていない場合は以下からダウンロードできます。
2次元バーコードが発行された場合は空港に設置してあるキオスク端末で搭乗券を発券、E搭乗券が発行された場合は直接搭乗ゲートに向かいます(受託手荷物がない場合)。
手続後はwebチェックイン同様、受託手荷物の有無に合わせてそれぞれのカウンターに出向きます。
機内持込手荷物
機内に持ち込める手荷物のサイズは56×36×23cm以内のバッグ1点とで40×30×10cm以内のPCバッグ・ハンドバッグ・バックパック等1点で合計の重量が7kgまでです。
複数の荷物をストラップ等で結んでも1点とはみなされないのでご注意ください。
他LCC同様に一般的な機内持込可と謳っているスーツケースは持ち込みできず預入手荷物になってしまいます。
預入手荷物
機内持ち込み手荷物を超えるサイズ・重量の場合はカウンターで受託手荷物として預け入れるのですが、1個あたり最大81×119×119cm・32kgまででかつ重量に応じた料金が課せられます。
料金はチケット予約と同時に預入荷物の予約をするのが最も割安でチェックイン時に手配する場合が最も割高になるので、旅行に持って行く荷物をある程度予測し重量を計っておきチケット購入時に同時予約するようにしましょう。
例:羽田ークアラルンプールの場合
重量 | 円 | |
新規予約時 | 20kgまで | 3,900 |
25kgまで | 4,900 | |
30kgまで | 5,900 | |
40kgまで | 7,900 | |
予約後にwebでの追加購入 | 20kgまで | 4,490 |
25kgまで | 5,640 | |
30kgまで | 6,790 | |
40kgまで | 9,090 | |
空港カウンターにて | 15kgまで | 6,000 |
超過手荷物 | 1kgあたり | 2,000 |
ゲート手荷物 | 1点あたり | 5,000 |
各路線によって料金が定められていますのでエアアジアHPの料金ページで出発地・目的地を入力すると正確な料金がわかりますので(できるだけ予約前に)把握しておくことをオススメします。
他社LCCもそうですが、受託手荷物や座席指定の料金をあれこれと追加していくとそんなに安くないよ!ってこともあり得ますので、ご自身の旅行スタイルに合わせてどんなオプションが必要かを検討しなければいけません。
機内サービス
座席関係
上述したように30列180席仕様のA320と中長距離仕様のA330があります。それぞれで選択できるシートのバリエーションが違います。
座席区分
A320はLCC標準である30列180席仕様で、おそらくシートピッチ29インチ(約74cm)と思います。1〜5列目と12,14列目はホットシートと呼ばれる足元の広めのシートとそれ以外のスタンダードシートのラインアップになっています。
A330にはホットシート・スタンダードシートの他にプレミアムフラットベッドがあります。また、基本は3-3-3のシートレイアウトなのですが44列目より後方は2-3-2レイアウトになり、その両サイドの「2」の座席をツインシートと呼んでいて、カップルや夫婦など2名での搭乗の際に他人が横にいない快適さを提供しています。
そして、機体前方に当たる7列目ホットシートと8〜14列目スタンダードシートはクワイエットゾーンとして、エアアジアが言うには「ノイズが最小限で特別証明。機内食も早く提供される」としています。機内食の提供が早いのはともかく実際静かなんでしょうかねぇ?だって機内ですよ。10歳以上でかつ乳児を連れていないことが利用条件なので、子供が騒ぐ・赤ちゃんが泣くということを防ぐという意味合いかもしれません。
座席指定料金
座席指定料金の前述の受託手荷物と同様に路線ごとに料金設定があるので料金ページでご確認ください。
例:羽田ークアラルンプール
ゾーン | シート区分 | 円 |
一般ゾーン | スタンダードシート | 1,690 |
ホットシート | 5,900 | |
クワイエットゾーン | スタンダードシート | 2,890 |
ホットシート | 6,900 |
機内食関係
機内食は基本的には有料です。詳しくは公式ホームページをご覧ください。
後述しますが、料金体系によって機内食が提供されるプランもあるので、素の運賃(割引料金)の時のみオプションになり、その他プランを選択した場合は機内食料金を含んでいます。
機内食のサービスがなくても空港ラウンジで食事を摂ることができます。

こちらの記事で空港ラウンジを利用できるプライオリティパスについてまとめました。ご一読ください。
料金体系
エアアジアには4種類の料金区分があります。
割引運賃 | +バリューパック | プレミアム フレックス | プレミアムフラットベッド | |
受託手荷物 | 有料 | ○(20kg) |
○(20kg) |
○(40kg) |
機内食 | 有料 | ○(一回) | ○ | ○ |
枕、掛け布団orブランケット | 有料 | 有料 | 有料 | ○(機内使用のみ) |
フライト日時の変更 | 有料 | 有料 | ○(2回まで) | ○ |
1時間のオンタイム保証 | × | ○ | ○ | ○ |
手荷物遅延 | × | ○ | ○ | ○ |
優先受託手荷物 | × | × | ○ | ○ |
優先チェックイン | × | × | ○ | ○ |
優先搭乗 | × | × | ○ | ○ |
座席指定 | × | ○ | ○ | ○ |
ポイントプログラム | RM2=1P | RM2=1P | RM1=3P | RM1=1P |
web上で割引運賃選択すると+バリューパックかプレミアムフレックスを選択することができます。+バリューパックは20kgの受託手荷物と機内食1回が付いていて使い勝手がなかなか良いです。自身の旅行スタイルと差額を踏まえ検討する価値が充分あります。
荷物は無いけど食事は欲しい。とか、深夜便で寝てるから食事はいらないけど荷物は預けたい。などといった場合、+バリューパックがいいのか割引運賃に必要なオプションだけを付けるべきなのかをじっくり検討した方がいいでしょう。
プレミアムフレックスはその名の通り+バリューパックにフレキシブルさを付加した料金プランと言えます。直前まで予定を確定できない方の強い味方です。
プレミアムフラットベッドは前述の豪華シートに加え、上図の通り各種優先サービスが付加されます。エコノミークラスと差別化した機内食が提供される訳ではないですが、フルサービスキャリアのビジネスクラス並みの優先待遇となります。シートの狭さが大きな問題になる長距離路線なら第一の選択肢として考えるのも大いにアリです。
というのも、大阪/関西ーホノルル線で利用すると、フルサービスキャリアのエコノミークラスより安く、かつ寝ながらハワイに行けるという、なかなか贅沢な旅行が現実のものになります。
マイル/ポイントサービス
エアアジアBIGプログラムという名称のポイントプログラムとBIG Loyalty Programmeという上級会員制度があります。
フライトに対してポイントが付与される仕組みで、料金の支払いに対するポイント数の付与は以下の通りです。
フライト(基本運賃) | 2MYR=1BIGポイント |
1つ以上のアドオン(機内食、受託手荷物等)を申し込んだフライト | 2MYR=1BIGポイント |
プレミアムフラットベッドでのフライト | 1MYR=1BIGポイント |
プレミアムフレックスでのフライト | 1MYR=3BIGポイント |
ポイント利用は何ポイントでどの航空券と交換できるか決まっています。参考までに東京/羽田〜クアラルンプールで30,000ポイント、クアラルンプール〜ジョホールバルで4,500ポイントです。その他の路線はこちらのページから検索してみてください。
また、利用可能最低ポイントは100ポイントからとなっていて、無料航空券以外にも交換可能です。
この記事執筆時の為替レート(1MYR=約26円)で計算すると30,000円(約1,150リンギット)のフライトで575ポイント。ですので30,000円のフライト約52回で東京/羽田ークアラルンプール相当の30,000ポイントが貯まる計算です。それでやっと東京/羽田〜クアラルンプール1回分の無料航空券ですから、まあほぼあり得ない頻度ですよね。クアラルンプール〜ジョホールバルのような短距離路線なら8回のフライトで1回分の無料航空券を手に入れることができるので、まあアリかなという程度。
ただ、プレミアムフラットベッドなら運賃そのものも高額(相対的に)になり付与率も2倍になるので可能性が出てきます。、頻繁に東南アジアにエアアジアで行き、かつプレミアムフラットベッドに限る。という場合、比較的余裕を持ってクアラルンプール〜ジョホールバルくらいなら無料航空券に交換できそうです。例えば、1回あたり50,000円(約1,920リンギット)のフライトだとすると3回のフライトで獲得できるわけです。
航空券以外ではホテルのリワードポイント等があるので、そちらに利用して旅行を充実させる方が賢明かもしれません。
上級会員制度は、BIGポイントの付与率が向上するなどメリットがない訳ではないのですが、エアアジアだけを年間相当な利用する場合にのみ威力を発揮すると思われるので割愛します。
格安旅行の真髄は、いかに安い便を見つけるかに掛かってるので、1つの航空会社に縛られる上級会員制度はさして有用ではないんです。
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